東大 Of Kimono

秘書お二方からの手厚い案内と、極道の世界と言わんばかりの社長室の設え。
当該研究会の講師就任商談の前に
「売りつけられたらどないしよう」という失礼な心配ごとは
余計な取り越し苦労だった。

「社員が家庭を守れる環境を第一に考えたんです。
東京にアンテナショップを出したかったが、社員が通勤できる場所
を真っ先に考え、神戸に店をだした。
そしたらいつまにか売り上げも伸びて、ディズニーランドからも声がかかって
今年は携帯電話のデザインになっていた」

話し始めるなり自信に満ち溢れたＴＯＰの表情は、深く、温かい。
着物業界の東大と言われる染匠の言葉は、生きている。

「インテリアコーディネーターという仕事を通して
それぞれの「道（どう）」を極めたヒトとの出会いがたくさんある。
育ち方と感性が異なる人たちとの仕事はとてもおもしろいですよ。
お嬢さん。あなたも何かの東大生になりなさい。」

自分よりも　まず近しい人たちの幸せを考えることが
なにより究極の経済学なのかもしれない。